ワークショップ
アート系実践Ⅰ

演劇Ⅰ

開催日・会場

  • 2016年9月5日(月) 12:45〜16:50 静岡大学学生会館ホール
  • 2016年10月11日(火) 14:25〜17:35 静岡大学学生会館ホール

講師

概要

日本の戦後演劇界を支え、今や世界的な演出家でもある鈴木忠志氏。その門弟である俳優・奥野晃士氏による鈴木メソッドとその方法を通して得た奥野講師自身が会得した「常在戦場」という観点から構成したメソッドを学ぶ。

目的

演劇のワークショップは実に多様である。その上で、あえて日本の演劇界を作ってきた人物の基本となるメソッドを踏襲しつつ、そこから独自の方法を編み出した思想と方法を学び、「守・破・離」のヒントを得る。

達成目標

自らの身体を知り、自らを自由に動かすコツをつかむ。また、鈴木・奥野両氏のメソッドを通して、日本の演劇界の今後を俯瞰するヒントを獲得する。

ワークショップの内容

以下のプログラムに沿って、ワークショップを実施しました。

ワークショップ12「メソッドとはなにか 〜自分の身体を知る〜」

所要時間:90分

基本的な考え方

鈴木メソッドでは、自分の身体の生理を極力除き、外側の基準「ディテール」を意識しながら、動物性エネルギーを発揮する。身体をいかにフィクション化させられるかが重視される。
方法は、自分の外側で起きていることにより敏感になり、銃口を銃口を突きつけられている戦場を歩くように、自分の身体の方をよりテンションの高い条件に合わせていくことである。それはハイテク時代では失われつつある、人類が原始の時代から持っている動物的なエネルギーを取り戻すことでもある。

ワーク

  • 顔を意識する。目を見開く。声を出して口の中を響かせる。
  • 歩きながら、自分の身体を「On、Off」する。身体の細部を意識することにより、全身を使った演技を行う。
  • わたし・あなたゲーム(全力を込めて、わたしとあなたの空間を入れ替える)
  • ドラキュラゲーム(演劇的手法を取り入れた鬼ごっこ)
  • ミラー(奥野講師の動作を徹底的に真似るなかで、日常の動きを徹底的に排除する)

ほか

ワークショップ13「メソッドとはなにか 〜自分の身体をフィクション化する〜」

所要時間:90分

  • 1回目の振り返り
  • より高度な次元で自分の身体をフィクション化するために、棒を使った複数のエクササイズを行った。棒を身体の一部、あるいは延長と思えるまで意識してエクササイズを行う。同時に棒がなくなり自由になれることを意識してみるなど、モノと「わたし」の関係を問い続ける。
  • 鈴木メソッド、奥野メソッドを振り返る。
  • これからの演劇のあり方と役者の可能性についてミニ対談をおこなった。

ワークショップの様子

検証と課題

「わたし」と「あなた」を意識することで、むしろ「わたし」と「あなた」は完全に切り離せないということを体験する。

意識の持ち方ひとつで人間の身体がいかに変化するかを体験した。

アートマネージャーは、事業のフレームづくりや運営にばかり目が行きがちである。特に演劇においては、演出家と役者に任せきりになることが多い。だが、新しい時代の演劇を考える上で、これまでの演劇とこれからの演劇を何かの思想と方法で接続する必要がある。そのためには知識ではなく、身体を使って演劇史やメソッドを学ぶことが重要である。本ワークショップではその意を強くした。