お知らせ

12月3日「美術ⅩⅤ~他人の大切なものを勝手に大切にする~」のワークショップを開催しました

2018年12月13日

深澤孝史ワークショップ「他人の大切なものを勝手に大切にする」

12月3日(月)に、美術家の深澤孝史をファシリテーターに迎え、美術分野のワークショップ「他人の大切なものを勝手に大切にする」を開催しました。

午前:10:20〜11:50
まず導入として、深澤さんの自己紹介。静岡との縁、これまで行った主なアートプロジェクト、そしてそのベースとなる考え方について分かりやすい説明がありました。次に、机を挟んで向かい合った参加者が二人一組のペアになり、それぞれの「昔大切にしていたもの、大切だったもの、無くなってしまった大切なもの」についてインタビューし合いました。
「大切だったもの」は、人でもいいし、場でもいいし、ものでもいいし、活動でもいいし、考え方も可であっても可とのこと。それはなぜ大切だったのか、またどうして大切にすることになったのかなどを互いに聞いて、メモをとってゆきました。

午後:12:45〜14:15
紙粘土で、ペアの相手となった人の「大切にしていたもの」を表すオブジェを作るワークからスタート。まず深澤さんが今回使用する紙粘土の特色について軽く説明。そして参加者の手によって、真っ白い柔らかな紙粘土が、風景に、ペットに、街並みに、ペルシャ絨毯に、数年に一度大雨の後出現する幻の池、、、などに向けて成形されてゆきます。深澤さんは、作業机の間をまわって適宜声かけ。また、統合失調症の人が通う施設でおこなった活動、『ハーモニーランド』について、スライドを使って紹介してくださいました。それは「他人の話を尊重する」という点で、このワークショップとつながっています。
約1時間ほど、オブジェ制作に没頭。その後、午前中に行ったインタビューを文章にまとめ、オブジェに添えて完成。机を展示台として、オブジェと文章を並置し、皆で鑑賞し合うことで振り返りの時間としました。

「自らが大切にしていたもの」をというテーマは珍しくありませんが、「他人の大切なもの」というテーマ設定がユニーク。他者の思いに寄り添いながら、自らの制作と絡ませて、できあがったオブジェは、他者と自身の間に成立しています。
「勝手に」と「大切にする」という言葉は、普通はつながりません。それらが結びつけられたところから発想する活動は、参加者には、新鮮な体験だったのではないでしょうか。誤解やズレを許容しながら、「相手の話」を尊重し、そこから生まれた造形と文章が醸し出す優しさに気づくことができました。