お知らせ

11月27日「福祉系・表現Ⅳ」のワークショップを開催しました

2018年12月12日

11月27日「福祉系・表現Ⅳ」のワークショップを開催しました。
ファシリテーターは、11月1日に行った「福祉系・表現Ⅲ」に続いて、京都造形芸術大学名誉教授の水野哲雄氏さんです。

今回も静岡大学教育学部附属特別支援学校と連携し、同校の校外活動として位置づけました。ワークショップで使う小石などの材料は、水野さんとサポート役の成実憲一さんが、前日のうちに準備してくださいました。
受講者(14名)の集合時刻は9時30分。皆で会場設営をした後、水野さんよりこのワークショップで大切にしたい3つの「チ」、「キモチ・カタチ・イノチ」について説明がありました。10:00頃に特別支援学校の生徒(18名)と先生(8名)が大学に到着。そして、参加者(受講者と生徒)が6つのグループに分かれ、ワークショップは始まりました。

導入:「小石とあそぶ;ならべる〜積む」
参加者は、小石(前日に洗浄済み)の山から、1人8個の石を選び席に戻ります。次に、折り紙が配布されました。折り紙は造形活動を展開する「場」とのこと。最初のワークは、「4つの石の上に、残りの4つを乗せられますか?」。シンプルな行為ですが、石が組み合わされることで面白い形が出現。次に、「3つの石の上に5つを・・・」、さらに、「2つの石の上に6つを・・・」。だんだん難しくなりますが、そのことも楽しそう。あちらこちらで歓声が上がります。ついに「1つの石の上に、残りの7つを・・・」。大人でも難しいのですが、何人かの生徒が達成。
展開1:小石に手足が生えたら
1人あたり3本の園芸用結束ワイヤーが配布されました。
「針金3本があります。それを小石に巻きつけ、手足を作って、立たせてみてください」、動物なら足が4本、昆虫なら6本。鳥なら2本。ということで、参加者は石を胴体に見立てて挑戦。上手く立つと、小石が生き物に見えてくるから不思議です。
展開2:伸張するアルミ線
「アルミ線で遊びます」ということで、参加者には太さ0.9mm、長さ1mのアルミ線が配られました。
水野さんは皆の前でアルミ線をボール状に丸め、「これは種」と説明。そして針金の端をつまんで、それを植物の「芽」に見立て、ぐんぐん成長してゆくように伸ばしてゆきました。次に参加者が試行。「どこまで高く伸びるかやってみましょう」ということで、皆は、アルミ線にキモチを通わせます。
展開3:バランスと増殖するカタチ
3本のU字形の結束線で、人のカタチを作るワーク。まずは、水野さん自ら実演。1本目で頭と胴体が作られ、2本目は腕、3本目は足に。また、関節を作ってゆくことで、動きのある人のカタチになりました。次いで参加者が、それぞれの「人のカタチ」を作り始めました。最後に、バランスに気をつけ「人」を立たせます。いろいろなポーズの「人」ができあがりました。
U字形の結束線を次々と結びつける立体造形、「増殖するカタチ」をやって見せてくださいました。みるみるうちに、不思議なボリュームのあるカタチが現れてきました。
まとめ:グループごとに話し合いを行い、最後に、教室の後ろに集まって、水野さんを中心に中学部の生徒と本事業の受講者が集まって記念撮影をし、ワークショップは終了。

午後は会場を教室に移して、受講者による「振り返り」を行いました。
まず水野さんから、今日のワークショップで見られた生徒の現れについて感想をいただき、成実さんからも感想と水野さんとの関わりについて紹介いただきました。
次いで、活動の記録写真をプロジェクターで投影しながら、水野さんからそれぞれのワークについて解説をいただきました。「小石を積む・並べるとは、造形性が表れる原初の行為」、「生徒と受講者が同じ目線で関われた」、「場・空間・物と物の関係、見えないものを感じる」などの言葉が印象的でした。
質疑応答では、多くの質問に丁寧に答えてくださいました。大切なこととして、「参加者には、できるだけリラックスしてもらうようにしている」、「ワークショップの基本はライブということ、相手がどう反応するかわからない。そのことを大切にしている」等々。
事前に準備した木の枝などの材料は、時間の関係で使うことはできませんでしたが、身近にある様々な物が、豊かな造形活動を導く材料となることも共有できたのではないでしょうか。
特別支援学校の中学部生徒と一緒に、大人も子どもも造形活動の根源的な楽しさに触れる貴重な時間を過ごすことができました。