お知らせ

8月20日「著作権」のワークショップを開催しました

2018年8月29日

8月20日、実務系のワークショップ、「著作権」を実施しました。講師は、骨董通り法律事務所代表パートナー 弁護士、ニューヨーク州弁護士の福井健策さんです。タイトルは、「マスターする著作権とライツ」です。

福井さんは、ワークショップの冒頭、受講者に向かってこう教えました。
「きょうこれだけは覚えて帰ってください。それは、『著作物とは、思想・感情を〈創造的〉に〈表現〉したもの・・・』(※プリント上では穴埋め形式になっていた)。加えて、著作物の例として、①小説・脚本・講演など ②音楽 ③舞踊。無言劇 ④美術 ⑤建築 ⑥図形 ⑦映画・ ⑧写真 ⑨プログラムがあります。ここまで覚えてもらえれば、日常生活に係わる著作物の99%はカバーできます。」

例えば、③の、ある演出家の振り付けですが、これは著作物です。勝手に踊ってそれをネットにアップしたり、舞台で使うと問題になることがあります。また、⑤の有名建築家が設計した建築物は著作物ですから注意が必要です。ただし、建て売り住宅は、著作物とは言えません。ちょっとここでは乱暴に記しますが(福井先生はきっちと説明してくださいましたが)、ありふれた表現、定石的な表現、事実、データなどは著作権に抵触しません。題名とか名称も同様です。ですから、私たちがたとえば小説などを書く場合、その中に鉄腕アトムやミッキーマウスという言葉を使うのは問題ありません。もちろん画像は勝手に使えません。
このように受講者は、具体的な事例を参考に著作物、著作権の基礎の基礎を頭に入れていきます。繰り返しますが、ここで大事なのは、「創作的な表現」ということです。

今回の進行は、講義の合間合間にそれに関連したワークショップ(グループワーク)が挿入されていくという形式が取られました。
受講者らが自らの導き出した意見を言う度に福井先生の「なるほど」「そう判断した根拠は何ですか」という鋭い突っ込みが入ります。全員が発表し終わると、福井先生から、これまでの判例や法に遵守したアドバスが入りました。とにかく実例をワークショップ形式で議論していくので、たんに知識を押しつけられたのと違って、記憶が濃く刻まれていきます。

その他、ナショナルアーカイブ構想、作品デジタル公開と権利の現状と課題、世界が直面するオーファン問題、図書館著作権規定の到達点、他にも肖像権の問題などに触れて頂きました。

日々、SNS等で情報を取り、アップする私たち。知らない、ではすまされないアートマネージャーの知識の習得という課題が目の前にあることを改めて突きつけられたワークショップでした。

福井先生は、最後の最後に、こう釘を刺されました。
「一週間経ったら、わたしがきょう配布したレジュメを必ず見直してください」。
大丈夫でしょうか、受講者のみなさん。