お知らせ

8月6日「文学Ⅵ」のワークショップを開催しました

2018年8月22日

小二田誠二ワークショップ「浮世絵を読んでみる」

 

8月6日(月)に、静岡大学人文社会科学部の小二田誠二先生を講師に迎え、文学分野のワークショップ「浮世絵を読んでみる」を開催しました。

江戸時代の木版画、浮世絵は、印象派の誕生に大きな影響を与えたこともあり、美術の文脈で紹介されることが多いのですが、江戸文化を映し出す鏡でもあります。

ワークショップの会場には、先生が所蔵する幕末から明治にかけての浮世絵コレクション数百点が持ち込まれ、またそれを読み解くために様々な入門書・専門書が持ち込まれていました。

最初は自己紹介。専門は美術史ではなく、江戸から明治にかけてのメディアと表現であるとのこと。また絵画については、そこに込められた「メッセージやストーリーを積極的に読み解いてゆく」姿勢で接していることが語られました。その意味では、浮世絵展の多くは解説が少ないとの疑問を提示。本ワークショップでは、浮世絵の面白さを分かりやすく伝えるキャプションを作りましょうと投げかけられました。

続いて、小手調べ。「國貞改 二代豊國画」と記された、『百人一首繪抄』という作品のカラーコピーが配布され、その絵からどのような内容を読み取ることができるかというワーク。受講者は画中の「美人」の仕草と、文字情報の読み取れる箇所をつなぎ合わせ、絵の内容を推察し発表しました。それを受け、小二田先生からは、浮世絵を読み解くためのポイントである、文字(くずし字)情報と版元印や検閲印などの記号情報についての解説、さらに「見立て」や文様についても重要との指摘がありました。

前半の最後はグループに分かれ、キャプション作りに向けて、数多の浮世絵から1点(1組)の作品の選び出しました。結果、芝居絵を選んだのが5グループ、物語絵が1グループでした。そして、制作年を推定するための専門書、石井研堂の本や『歌舞伎年表』などの文献を参照する方法について説明がありました。

昼休みを挟み、後半は、グループごとに専門書にあたって、制作年代等の基本情報を探りました。小二田先生は、机の間を巡回しながら、それぞれの浮世絵の読み方についてポイントを指摘してくださいました。約1時間のワークで、絵師、出版年月、落款、改印、彫摺師、版元、作品名、画題等々の基本情報、また芝居絵であれば、上演月日や演目や配役などの上演情報などを集中して調べました。調べても分からないことについては、時間的な制約もあるので、今回は「不明」「不詳」「……か」で対処するとのこと。それら基本情報を確定することは、目標である「絵画に秘められたストーリー」を読み解き、分かりやすい解説を書くための必須の条件です。

最後の15分間を使って、グループごとに制作中のキャプションの発表をしました。

最後に小二田先生から、キャプションの精度をより高めるためには、時間外にネットや文献を参照し、磨きをかけていただきたいとのコメントがありワークショップを終了しました。