お知らせ

7/17 基礎講義3「地域リソースの発掘・連環・創造に向けたワークショップをめぐって」

2018年7月22日

7月17日(火)に、美術家であり著作『美術、市場、地域通貨をめぐって』『美術館・動物園・精神科施設』『贈与としての美術』などを通じて美術をめぐる先鋭な問題を提起し続ける白川昌生さんと、白川さんとともに「場所・群馬」など地域を拠点に活動を展開する美術家の木暮伸也さんを講師に迎え、基礎講座として「地域リソースの発掘・連環・創造」を実施しました。

 

内容は、大きく3部構成で、前半は白川さんによる講義、後半は木暮さんによる活動のプレゼンテーションと静岡大学の白井を交えた鼎談を行いました。

白川さんの講義は、「アート」の起源についての概説の後、スライドや動画を用いて「場所・群馬」など地域を拠点とした様々な活動についての紹介がありました。

そこでの活動の拠点は、地域の歴史的な建物また商店街の空きスペースや無人駅などです。また、地域の記憶、産業、人々の営みや出来事をめぐって繰り広げられた、従来のアートの概念を超えた多様な実践は受講者に大きな刺激を与えたのではないでしょうか。

後半の木暮さんによるプレゼンでは、作品と場所との関係、作品の変遷、また白川さんと自身が関わる地域アートスポットについて紹介がありました。

その後、白井を交えての鼎談では、地域拠点の具体的な運営のあり方について、また地域のクリエーターの交流拠点としての活動と、より幅広い住民、商店街や多様な地域住民に向けたアートプロジェクトや「祭り」とが並行するように展開されていることが話題となりました。

受講者との質疑応答の時間では、2017年に群馬県立美術館で開催された「群馬の美術2017」における白川さんの作品《群馬県朝鮮人強制連行追悼碑》が展覧会直前に展示取り消しになった問題について質問があり、白川さんからはモニュメントが政治との危ういバランスの上に成立していること、また作品の展示取りやめについては美術館の構造的な問題が背景にあるとの返答がありました。

 

白川さんはその著書『贈与としての美術』のなかで、芸術について「共感、感性、身体感覚という共通性をもちつつ、他者、社会、自然に関係していきながら、関係を再構築していく活動」としていますが、木暮さんの活動も合わせ、その豊かな実践を例示いただくことができたように思います。