お知らせ

12月18日「言語」1回目のワークショップを開催しました。

2018年2月22日

言語系ワークショップ「静岡を読む、静岡を書く」を開催しました。ファシリテーターは、中村ともえ先生(静岡大学教育学領域准教授)です。内容は、前半が参考資料を読む活動、後半が創作活動になりました。

最初に、「あなたにとって静岡とは何か」という問いが投げかけられ、一人ひとりの時間軸にそって、場所にまつわる体験や意味の変遷を振り返りました。

次に「静岡を読む」ということで、小説等の著作の中に「静岡」がどのように表されているかを概観しました。まずは著作権フリーの「青空文庫」から76篇を取りあげ幾つかの特徴を指摘。続けて、静岡に縁の作家として三木卓に焦点を合わせ、2篇の自伝的小説「裸足と貝殻」「柴笛と地図」が紹介されました。その上で、高校生から浪人時代までが描かれた「柴笛と地図」のいくつかのパートを受講者が順番に朗読。そこには、今から70年前の静岡の情景と人びとの営みが表されています。これらの作品の特徴は、ささやかなエピソードが連なり、ゆるやかに全体の時間が流れていること、との解説がありました。登場人物の会話は静岡弁です。そこで会話部分は、静岡弁を知る受講者が静岡弁で朗読、中村先生は地の文を朗読。そのことで、小説における方言の効果や、会話の描写と地の文との関係が自然と意識されるようになりました。

前半の最後に、「静岡を書く」すなわち、静岡を舞台とした小説の創作に向けて縮尺の異なる3種類の地図と下書き用紙が、各グループに配布されました。小説に登場する人物は2人という前提で、昼休みの間に主人公の出発地と目的地、そして知人と会う場所を決めておくようにとの指示がありました。

 

後半は、グループワークから始まりました。グループは2人か3人で構成されています。地図を見ながら、出発地と目的地、また2人が出会う場所を確認。主人公の名前を決め、途中で出会う人の名前を決め、それぞれの人物像を設定します。市内をあまり知らない受講者はJR静岡駅から静岡鉄道の新静岡駅の間でもよいし、9月25日に音楽分野のワークショップとして行った市内のロケハンと結びつけてもよいとのこと。下書き用紙を横方向に二つ折りして、上段には登場人物の会話を書き、下段には移動するルートとその情景などを書くというやり方が説明されました。活気あるグループワークによって、上段と下段が書き進められてゆきます。50分間ほどのワークで主人公の足取りや会話の骨格が浮かびあがってきました。

その後、個人執筆の時間が設けられ、グループの中で役割分担をし、1人が主人公の出発地点から2人が出会った地点までを、もう1人が出会った地点から目的地までを書き進めました。3人のグループの場合、3人目は会話部分を清書する役割を担います。最後に、中村先生から、作品のどこかに「静岡」という言葉を入れる、また作品にタイトルをつけるとの投げかけがありました。約15分間の個人執筆の時間を経て、全体を合体させこの日のワークは終了。

グループワークと個人執筆を合わせても、執筆に充てられた時間はわずか80分間ほどではありますが、それでも、小説を書くという、多くの受講者にとって初めての経験ができたことは収穫といえましょう。また「静岡を言語化する」ことによって、見慣れた場所に新たな光があたるかのような思いを抱いたのではないでしょうか。

なお、このワークショップで創作された「小説」は、1月22日の言語系第2回目のワークショップで改めて取りあげられ、助言・批評される予定です。