お知らせ

10月26日「美術Ⅷ」のワークショップを開催しました。

2017年11月16日

10月26日に、富士市を拠点に長きにわたって文化芸術振興に関し多彩な活動を展開している、彫刻家、富士芸術村村長、ふじ・紙のアートミュージアム館長の漆畑勇司さんをお招きし、「紙のまちから:レインスティクをつくろう」と題し、ワークショップを開催しました。「地域リソースの発掘」という視点では、漆畑さんの存在と活動そのものを地域リソースと捉えるとともに、地場産業である製紙業も地域リソースと捉え、アートの視点でどのようにアプローチできるのか、その活動について紹介していただきました。
内容は2部構成で、前半は講義、後半がワークショップです。


講義は、自ら「人生の話し」というように、子ども時代にジュニアリーダースクラブで熱心に活動し、また絵を描くのが好きだったことから始まり、高校時代の美術部での活動や彫刻家との出会い、学生時代に師事した彫刻家・佐藤忠良先生のこと、心ならずも郷里に戻り富士高の講師になったこと、また教えることの面白さに目覚めたこと、アトリエに美術系の受験生が集まるようになり美術研究所を立ち上げたこと、校長先生が次々と彫刻の仕事を紹介してくださったこと、幼稚園にも勤め、保育園にも勤めたこと等々、、、。
空き家となっていた豪壮な民家を、美術を志す若者の活動の場にするために始めた「富士芸術村」の創設についてのエピソードと人的ネットワークの形成、運営上の種々の苦労と工夫。「ふじ・紙のアートミュージアム」館長としての活動。その他、富士市の工場見学、工場のライトアップ、海岸の漂着物を生かした美術展「アートピクニック」、作家と商店街が力を合わせた「アートセッション」、小学校教諭と静岡大学の大学院生が力を合わせ学校ではできないようなアート活動をする「ぼくもわたしもあーとする」、また中学生を対象とした「はばたけ美術部」等、これまで40年間にわたって積み重ねてきた活動が、ますます広がりを見せていることが紹介されました。
漆畑さんは、アートと社会をつなぐためには、アーティストを大切にするのと同じくらい、地域の関係者、商店街・工場・住民との関係を大切にすることが重要と指摘されました。漆畑さんの、もの作りは楽しい、という強い信念が周囲の人を動かし、多くの人びとが力を合わせて多彩なアート活動の展開につながっているということがよく分かりました。

後半のワークショップでは、富士市の工場から無償で分けていただいたという、6×110cmの紙管を使ってのレインスティックづくりが行われました。紙管は、布などを販売するときの心材に使うものだそうです。まず、漆畑さんが作った2本のレインスチックが見本として紹介されました。レインスティックとは、アフリカや南米の筒状の楽器で、昔、雨乞いに使ったとのこと。筒をゆっくりと傾けると、中に入った小石などがサラサラと雨のような音をたてます。
筒に30本から50本の釘を埋めこむことで、小石の動きが乱され、より複雑かつ自然な音が生まれるようです。
1本は、釘を規則的、等間隔に埋めこんだもの。他の1本は、釘をランダムに埋めこんだもの、、、。どちらを選ぶかは受講者に任されました。
・紙管にドリルで釘を埋めこむための穴をあける
・紙管の片方の穴に蓋用の紙をつける。
・ドリルであけけた穴に釘をさしてゆく。
・紙管の中に、紙コップ2/3程の小石を入れる。
・紙管のもう一方の穴に蓋用の紙をはり、両側を塞ぐ。
・紙管の装飾用の色紙を貼る。
30人程の受講者に対し、ドリルが2本しかなかったため、穴をあけるのにやや時間がかかってしまいましたが、それでも受講者は熱心に制作に取り組み、90分間のワークショップの中でほぼ全ての作業を終えることができました。