お知らせ

10月26日「福祉系表現Ⅱ」ワークショップ(1回目)を開催しました。

2017年11月16日

10月26日「福祉系 表現Ⅱ」のワークショップを開催しました。

ファシリテーターは舞踏家として精力的な活動を続けながら、精神科の病棟や、障がいを持った方々を対象としたワークショップで豊富な経験をお持ちの岩下徹さんです。また静岡に在住のギタリスト、原大介さんに、即興演奏を担っていただきました。

福祉系表現のワークショップということで静岡大学教育学部附属特別支援学校と連携し、同校の校外活動の一環として位置づけました。第1回目の10月26日は、本事業の受講者に加え、小学部の生徒さんと保護者と先生が参加。第2回目の11月30日は、中学部の生徒さんと先生が加わります。

会場は静岡大学体育館の2階、高い天井と、バスケットボールのコート2面分の広さを備えた開放的な空間です。9時30分頃から、秋晴れの柔らかな日差しが高い窓から注ぎ込むなか、受講者に全体の流れの説明をしました。9時45分頃に保護者が来場し、担当者・白井による挨拶と趣旨説明のあとワークショップが始まりました。
岩下さんによれば、子どもたちを交えてのワークショップの前に、先ずは、大人の参加者、すなわち受講者と保護者が自分自身の身体や心と向き合う時間が大切とのことです。ここでは、音楽の演奏を入れることなく無音のなかで身体との対話が行われました。 手をぶらぶらすることこから始め、体を慣らし、歩く、止まる、ターンする、組みになって関わるなど、ダンスといって連想するような難しい動きは何もないのですが、30分ほどのワークによって少しずつ身体が目覚めてきたように感じました。


この間、子どもたちは先生に引率されて大学構内の散策を楽しみ、体育館には10時30分頃に到着しました。
ここからは、原さんのギターによる即興演奏が加わり、「歩く⇄停まる」「速歩き⇄停まる」「抜き足差し足忍び足⇄停まる」、そして「ポーズから別のポーズ」、さらに「楽器の演奏を感じて動く」など、だんだん大きな動きになっていきました。
ここで、全員参加の流れを少し止めて、男の子と女の子、それぞれ一人ずつ、岩下さんが声をかけ、原さんの演奏に合わせ身体で表現しました。それぞれの気持ちや個性が動きに表れ、大きな拍手がありました。

 

 

次に、グループによる活動に移ります。「2人組での肩たたきやマッサージ」、「くっついたり離れたり」、「ボールゲーム」では、見えないボールを想定し「投げる⇄受け取る」をし、「魔法をかけて操る⇄魔法をかけられて操られる」などと続くことで、他者とのコミュニケーション活動がふくらんでゆきました。
再び、全員参加の流れを少し止めて、岩下さんが女の子と男の子一人ずつに声をかけ、皆の前で「ボールゲーム」と「魔法をかけて操る⇄魔法をかけられて操られる」ゲームが演じられました。目に見えない「ボール」と「魔法」を媒介に、子どもと岩下さんの動きが響き合い、皆から大きな拍手が沸き起こりました。
最後は、音楽に合わせて踊る、フリーなダンスの時間です。この段階になると、自然発生的に何人かが手をつなぎ輪になって踊ったり、ひろい体育館のスペース全体を使って踊るなど、いつの間にか身体をいっぱい動かして表現することができるようになっていました。
これで、特別支援学校の生徒さんと保護者を交えた午前の活動は終了です。

 

午後は、会場を教室に移し、受講者を対象に「振り返り」をおこないました。
そこでは岩下さんが、「ワークショップ進行案」に沿って、午前中のワークショップの一連の活動のねらいや、そこで起こったことについて解説してくださいました。準備運動を丁寧にやったこと、ギターの豊かな音色、固有の動きを見せる子どもたちについて、何をやってもいいんだという安心感、困っていることも大切、それを見守ることの大切さ、等々。受講者との質疑応答のなかでも、全体でのワークを止め、男の子、女の子一人ずつのソロを2回取り入れた時の、その子どもの動きについて興味深いコメントをいただきました。根源的な舞踊のあり方ともいえる「輪踊り」が自然発生的に生成したことを特に指摘されたことも印象的でした。
この岩下さんによるダンス・ワークショップによって、参加者全員が、心身を解放する豊かな時間を過ごすことができたと思います。
最後に、『現代のエスプリ』誌に載った「表現と癒し」など、岩下さんが執筆された関連資料の紹介があり、ワークショップを終了しました。