お知らせ

9月8日 まちづくり系ワークショップ「ナイトハイク」を開催しました。

2017年9月16日

9月8日 まちづくり系ワークショップ「ナイトハイク」を開催しました。

24時間 明かりの消えない都市。それがわたしたち人類の手に入れた文明です。その便利さ故に身体から切り離されてしまった人間本来が持っていた機能も多いのではないでしょうか。そのためか、昨今では、人工的な闇をつくり、五感を呼び覚ます体験もあるようですが、今回は、自然のつくる闇を相手にする体験作家・中野純さんを講師にお招きし、島田市にある千葉山・智満寺(天台宗、開創771年)を舞台にナイトウォーキングを行いました。

そもそも智満寺は、その本堂と本尊千手観世音菩薩像が国の重要文化財に指定されており、薬師堂、仁王門等は県指定文化財にもなっている大変由緒あるお寺です。また、山頂付近に点在する、国指定の天然記念物「十本杉」はため息が出るほど巨大です。

 

まず、ご住職の北川教裕(きたがわ きょうゆう)さんに、智満寺の縁起、由来、ご本尊のことなどを伺い、これから体験するナイトウィーキングの舞台を共有しました。本堂に鎮座されている、倒木した頼朝杉から彫られた弥勒菩薩座像はやさしいお顔をされており、とても印象に残りました。

いよいよ時刻は逢魔ヶ時、昼間と夜とが出逢う刻限に中野純さんのご指導のもとナイトウォーキングはスタートしました。一行は千葉山の山頂に向かいましたが、途中、何度か足を止めて、中野さんの案内によって、空の色の微細な変化に目をやったり、蜩(ひぐらし)の鳴き声に耳を傾けたり、藪の中にいる蛍の幼虫が発するわずか光を見つめたりしました。普段の生活のなかではすっかり忘れてしまった体験です。

そのあと、頂上付近に点在する巨大な杉を闇の中で体感、その圧倒的な存在感は、唯々ため息が出るばかりです。また、全員で、真っ暗闇のなか平地を見つけてシートを敷き、その上に身体を横たえ天空を見上げました。耳元では、虫の音、夜空には星々、全身で自然の力、畏怖を感じました。

そうして名残惜しくも徐々に下山、元いた境内まで戻り、中野さんの月と闇に関するお話しをうかがい、体験の総括をおこないました。アートマネージャーにとって、人工の明かりの下や太陽の出ている時刻ばかりが活躍の場ではありません。自分の暮らす夜の街の風景や文化・経済のこと、自然を相手にする場合、何に気をつけて活動するかに目を配ることも重要です。

帰りしなに東の空を見上げると、ぽっかりと大きな月が杉と杉の間に架かっていました。

9月4日「映像Ⅰ」のワークショップを開催しました。

2017年9月16日

9月4日は、映画監督の山本起也先生(京都造形芸術大学)をお迎えし、映像リテラシーに関するワークショップを行いました。前半は山本先生が自ら監督をつとめたドキュメンタリー映画『ツヒノスミカ』を観賞し、後半はドキュメンタリー映像に関する講義とそれについての質問や意見交換を行いました。「やらせ」とそうでないことの違いとは何か、という議論は、翌週に続くワークショップにも繋がる内容となりました。また「映画のログラインを書いてみよう」というグループワークでは、伝える側がどのような「視点」を持っているかが、重要だということを、学びました。

8月28日その② アート系ワークショップ美術Ⅵ「浜辺のおくりもの」を開催しました。

2017年8月30日

8月28日 「アート系ワークショップ美術Ⅵ~浜辺のおくりもの」を実施しました。
このワークショップは、8月7日(月)に「基礎講座Ⅳ」として実施した「ユニークベニューの開発と実践」、副題「芸術創作の源泉としての三保松原」の第2部、第3部と密接に結びついています。ファシリテーターは、清水区在住のデザイナー・アーティストの大滝正明先生です。大滝先生は三保海岸に漂着した木材や竹材などを用い、茶器や椅子、またオブジェを制作しています。


漂着物は波に揉まれ日に晒されて、小さな断片になっても大自然の賜物です。受講者は、各自持参した流木などを、様々に「見立て」、またそれに、わが国の木工の継手法なども取り入れながら最小限の加工をほどこすことで、自然と通い合う作品に変容させて行きました。
このワークショップによって、大滝先生の「流木拾いは大地から搾取しない素材との巡り会い」との考え方、そして、自然に寄りそい、「見立て」を大切にするエコロジカルなアートの一端に触れることができたように思います。

 

8月28日その① コミュニティダンスのワークショップを開催しました

2017年8月30日

8月28日はコンテンポラリー・ダンスユニット、セレノグラフィカの隅地茉歩さんと阿比留修一さんを講師にお招きしました。

 

体をほぐした後に行われたペアワークは「さわって・ぬけて」。
じゃんけんで勝った人が相手の身体の一部に触れ、そのままフリーズ。一方、触られた人はそこから抜け出て、今度はまた相手の身体の一部に触れて、フリーズ。それを繰り返して行います。最初は手のひらで、次は手のひら以外の場所で触ります。相手の身体のどこをどのように触れるかを考えることは、そのまま相手への「思いやり」にもつながりるワークでした。

休憩後のワークは「お名前ダンス」。
名刺代わりに自分の名前を身体で表現してみようというワークです。講師のお二人に見本を見せていただきコツを掴んだ後(例: あ・ビル、しゅ~・イチ/すみ・じ・ま・ほ)、それぞれ自分の名前に振り付けを考えます。更に二人組になって「2名の名前×3回」踊るショーイングも行いました。

短時間ですてきな振り付けが数多く生まれた瞬間でした。


講師のお二人からは「踊るときに必要な透明感がある」「神々しさをまとっている」などの講評をいただき、ありのままの身体の美しさをほめていただきました。

今回のワークショップを通じて、受講者はそれぞれに自分や相手の身体に対する好奇心を獲得したように思います。

8月21日「文学Ⅲ」ワークショップを開催しました。

2017年8月23日

詩人で詩業家の上田假奈代さんをお招きし、アート系(文学)のワークショップ「ことばの遊び・遊びのことば〜合作俳句」を開催しました。

合作俳句は上田さんが編み出した一つの句(5・7・5)を3人で創作するという手法です。まず、全体で共通のテーマを決め、そのテーマに沿って最初の5音を考え、紙に書きます。その紙を他の人と交換し、最初の人の書いた5音に続けて、次の人が7音を書きます(その時、テーマは忘れて飛躍を心がけて言葉を綴ります)。再び紙を交換し、3人目の人が最後の5音を書きます。各々の発表の際には、互いに褒め合います。豊かな褒める言葉を持つこともまた、このワークショップの目的でもあります。

今回のテーマは「図書館」「帽子」「祭り」でした。出来上がった俳句作品は透明のビニール傘、紙袋、襦袢の布にマジックペン、クレヨン、墨滴などで書き、付属図書館のギャラリーに展示しました。作品を書き込んだ素材の質感、文字の色・大きさなどによっても受け手に与える印象はずいぶん異なることでしょう。9/8まで展示しています。一般の方もお入りいただけますので、より多くの皆さんにご覧いただき、文学表現の可能性について知っていただけましたら幸いです。

 

8月7日「ユニークベニューの開発と実践」 ~芸術創作の源泉としての三保松原~ を開催しました。

2017年8月10日

2013年に富士山は、「信仰の対象であり、芸術創作の源泉である」との理由によってユネスコ世界文化遺産に登録され、海をへだてて富士を望む三保松原もまたその構成資産とされました。基礎講座「ユニークベニューの開発と実践」では、三保松原をめぐる文化芸術における地域リソースを見出し、結びつけ、新たな創造に導くことを3部構成の実習によって示しました。
第1部は、朗読と笛演奏のコラボレーションによる『碧眼の天女物語』で、御穂神社の舞殿にて演じられました。原作は1984年に三保在住の遠藤まゆみ氏によって書かれた、フランスの舞踊家エレーヌ・ジュグラリスと能楽『羽衣』そして三保松原をつなぐ美しい物語です。

雅楽奏者中村香奈子氏による古代歌謡東遊(あずまあそび)の笛が奏でられるなか、三保出身で、現在、東京大学の大学院生であり静岡県舞台芸術センターの(2017年度)俳優でもある宮城嶋遥加氏が、白装束に身を包み、物語を演じつつ舞いを交えての朗読が行われました。


第2部は、三保松原の観光駐車場に隣接したインフォーメーションブース「みほナビ」での茶会『あまの川 みほの海』です。清水在住のデザイナーでありアーティストの大滝正明氏による、海岸に漂着した木材を生かした長椅子がしつらえられ、また漂着した竹を加工し漆で仕上げた抹茶茶碗がお道具として使われました。席主は大滝正明氏。亭主には現代アートを生かした茶会で豊富な経験を持つ山本和子氏をお迎えすることができました。つかの間のひととき、観光客に向けた情報ブースとして使われている小さな建物が、三保の恵みを想い語らう静かな茶室に変貌しました。


第3部は「もの かたり/あそび こころ」と題し、茶会と同時開催で開かれた、大滝正明氏の作品展示と中村香奈子氏による笛の演奏です。エレーヌ・ジュグラリスの碑の前で行われた中村氏の演奏には「東遊」発祥の地ということで、東京から2名の楽士もかけつけ素晴らしい演奏が披露されました。作品は大滝正明氏による三保海岸の流木を材とした「お面」の展示です。海岸に流れ着いた流木が、人の手を最小限にとどめた「お面」となって松原の松に飾られる、そんな自然と文化が幾重にも循環しているような展示になりました
なおこの企画は、静岡市より後援を、また御穂神社より協力をいただくことで、実施することができました。

(全ての写真撮影:山口有一)

7月31日  「アート系ワークショップ美術Ⅴ~世界を測る」を実施しました。

2017年8月4日

【美術Ⅴ】
先週に続き、井上明彦先生(京都芸術大学美術学部教授)をファシリテーターにお招きし、アート系ワークショップ「美術Ⅴ ~世界を測る〜」を開催しました。副題は「独自の単位を持つ「尺(モノサシ)をつくり、世界(自己・モノ・空間・時間)を計り直す」です。当日配布されたプリントには、「世界を計り直す」ことで、「既存の測定秩序によって概念化された世界を、もう一度身体の側に引き戻し、規準の流動化・多様化を通して、『別の世界』の可能性をかいま見ることにつながらないだろうか?」とあります。
最初に、「測る」ことの歴史や様々な文明の身体尺の説明があり、また、美術の分野から「測ること」に関わる問題を提起した、マルセル・デュシャンの《三つの停止原器》が紹介されました。
続いて受講者による、「独自の単位を持つ『尺(モノサシ)』を作る」ワークショップが行われました。最後の参加者によるそれぞれの「モノサシ」と「単位」の発表では、その視点のユニークさに感嘆の声があがるなど充実した時間が流れました。
このワークショップによって、私たちの日常や価値観を、新たな視点で見直すことの大切さと喜びを学ぶことができたように思います。

7月24日 その2 「アート系ワークショップ美術Ⅳ~紙媒体のアートブックを制作する」を実施しました。

2017年7月26日

【美術Ⅳ】
アート系ワークショップ「美術Ⅳ~『アートブック』をつくる--」を開催しました。
ファシリテーターは、井上明彦先生(京都芸術大学美術学部教授)です。
画集などの「編集デザイン」ではなく、「本」というメディアや美術についての常識を問いなおし、それらの可能性を押し開く「アートブック」の制作を目指しました。
導入は「アートブック」とは何かについてスライドとプリント、さらに持参したご自身の作例を使っての説明です。そこでは、文字や画像が記される紙面が複数化され、編まれることから、「本」が他のメディアにはない独自性を発揮するということが伝えられました。
次いで、受講者によるアートブックの制作に移ります。印刷製本における通常の「ページ面付け」の説明の後、続いて本ワークショップで制作する「折り本」形式が説明され、材料としてA3上質紙が配布されました。それが、文庫本サイズ8ページもしくは16ページの本になります。
続いて「本」のコンテンツ、すなわち言語的な内容と画像を創り出す活動に移ります。言語的な活動は、ここでは「偶然歌集」を創るというテーマで、講師によって新聞の書評が複数用意され、そこから参加者は言葉をランダムに、あるいは直感的に抜き取り組み合わせることで、短歌もしくは俳句形式の詩を作ります。画像は、講師によって石や木の実や日用品などの画像が多数提示され、参加者は「偶然性」に導かれるように「歌」と画像を配置しました。
そして最後に、全員の「歌集」を、机の上にならべ、相互に手にとり感想を語り合う交流の時間が持たれ、井上先生による締めくくりの言葉をもってワークショップを終了しました。
ほぼ全ての受講者にとって「歌」を詠み、また画像と組み合わせて、オリジナルの「歌集」を作るということは初めての体験だったにもかかわらず、言語的なセンスとビジュアル的な感性が、互いに刺激しあいながら呼び覚まされる瑞々しい時間が流れました。

7月24日その1 「ワークショップの設計と実践~ストフェスのワークショップを企画する」を実施しました

2017年7月25日

今回のワークショップの位置づけは「受講者企画」です。受講者企画とは、静岡大学が取り組んでいる「大学を活用した文化芸術推進事業」で学んで頂いた受講者自らが自身の活動する場で、ワークショップを実践するという取り組みになります。

講師である佐藤剛史氏は本取り組みの平成26年度・受講者であり、ストリート・フェスティバル・イン・シズオカ(通称ストフェス)実行委員会会長でもあります。またアシスタントとして講師を務めた竹田公彦氏は実行委員会副会長(静岡市文化振興財団職員)という立場で登壇しました。

今回のワークショップは両氏の、ストフェスに新しい風を吹き込みたい、という強い思いから始まりました。

前半では、ストフェスの目的、沿革、取り組み事例、ワークショップ部門への参加条件等が紹介され、後半では受講者のストフェスで実施するワークショップのアイデア会議をやりました。

受講者からは、「出会い像 やってみました」、「静岡言語系ネガポジバトル」、「ストフェス イン ウエディング」、「静岡の宝探し」などの案が出ました。発表後、受講者に、わたしならこれに参加してみたい、というアイデに投票してもらい、最終的に、「ストフェス銀河星団」という、会場全体を宇宙空間に見立て(物語編集術による)、約200名の出展者と来場者を結ぶコミュニケーションワークショップ案に決定しました。今後は、佐藤氏を中心に内容の精度を高めていきます。

 

 

7月18日 基礎講座「地域リソースの発掘・連環・創造に向けたワークショップをめぐって」を開催しました。

2017年7月21日

山出淳也氏(NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト)、平川渚氏(美術作家)にお越しいただき、基礎講座「地域リソースの発掘・連環・創造に向けたワークショップをめぐって」を開催しました。講義室には、平川渚氏の毛糸を素材としたインスタレーション作品「地層を編む」が軽やかに浮遊しています。

前半は、山出氏の別府市と大分県を舞台とした活動について、地域の歴史、各種産業、自然環境との関係、さらに教育や福祉まで含めた広がりを紹介していただきました。後半は、場の素材や記憶に鋭い感性を持つ美術家、平川渚氏による自身のアート活動についての紹介があり、その後「地域リソースの発掘・連環・創造」をめぐって、山出氏と平川氏に白井氏(静岡大学教授)が加わった鼎談が行われました。質疑応答の時間では、受講者から活発な質問が投げかけられました。今後、受講者が、地域において文化芸術と社会をつなぐ活動をする上で、多くの示唆が得られたものと思われます。