9月25日・10月2日は文化活動家でアーティストのアサダワタルさんをお招きし、「静岡のまちをCDアルバムにする」ワークショップを行いました。
第一回目の9月25日はペアワーク。七間町のスノドカフェに集合し、説明を聞いてからペアでまちに1時間の散策に出ました。その間、お互いの過去のことをインタビューします。インタビュイーは、まちのとある場所での記憶、自分の住んでいるまちと似た風景があれば、そのことについても話します。また、その間に頭に曲が浮かべば、その曲についても相手にお話しします。再度、カフェに戻り、お互いに聞いた話(相手の記憶)を7・5調の詩にします。
その日はそれぞれの人がまちの「どこ」で、その記憶に残る曲を思い出したか、発表してもらい、地図上で確認して終了しました。この日はまだ誰がどんな曲の記憶を持っているのか、明かされません。

二回目の10月2日は9時半に駿府城公園に集合。月曜の朝から公園に集う大人たちは少し不思議な風景です。

ここを起点に音楽を聴きながらの町歩きがスタートしました。先週のペアのインタビュアーは相手の思い出の曲が再生されると同時に、作った7・5調の詩を「前口上」として読み上げます。約3時間かけて19名の記憶の場所を歩いて周り、その記憶にまつわる曲を聴き続けました。
BGMでカーペンターズがリピートされる市役所前のカレー屋さんの前(開店前)で「Top of the world」、某ケーキ屋さんの元あった場所で、アルバイトしていた当時に流行っていた宇多田ヒカルの「Autmatic」、長男の生まれた日赤病院前でその年にヒットした「聖母たちのララバイ」、学生時代に通っていた喫茶店と似た雰囲気を醸す喫茶店の前でかぐや姫の「神田川」、七間町の元映画館のあった場所でE.モリコーネの「ニューシネマパラダイス」などなど・・・。
同じ場所でも時期によってあったものが違ったり、他の人の記憶がまた別の人の記憶に移植されたり、「記憶」と「場所」が複方向的に行き交い、重なり合っていく様が大変に興味深い時間でした。
街中で集団で音楽鑑賞をしている状況は、事情を知らない人から見ると異様な光景だったようです。怪訝そうな顔をして通りすがる人、一緒に1曲楽しむ人、何をしているのか尋ねてくる人、反応も様々でした。
