1月29日「文学Ⅳ」のワークショップを開催しました。

「文学Ⅳ」ワークショップ  「江戸の本を読む」

アート系文学分野のワークショップとして、静岡大学教育学領域の高野奈未先生をお招きし、県下に数多く存在しながらも活用される機会の少ない江戸期の本(古典籍、和本)を地域リソースとしてとりあげ、往時の出版文化の豊かさや本の面白さを体感するワークショップを行いました。

前半の内容は、まず和本に関する基礎知識について説明があり、次いで、「くずし字一覧表」を参照しながら、版本の『百人一首』や『犬百人一首』のコピーをテキストとし読解を試みました。その後、先生が所有する様々な判型の和本が回覧され、受講者はそれを実際に手にとって感触を確認。また後半で扱う、静岡大学附属図書館収蔵の「原家旧蔵江戸後期芸文資料」の特徴を解説していただきました。

後半は、和本の書型、表紙、綴じ方など、外側から窺えるポイントについての解説を枕に、本を実際に観察し「本の紹介シート」を作成するというワークが行われました。資料は、駿河国駿東郡大平村 (現静岡県沼津市)で名主を務めた原家旧蔵になるものです。高野先生によって、それぞれ特徴のあるものが人数分抽出されていました。「本の紹介シート」は、その本の特徴を捉えた上で、幅広い読者にその魅力を伝えるための「キャッチフレーズ」を考えること、そしてその「みどころ」と「気づいたこと」を簡潔にまとめることです。

配布された和本は幅広い内容にわたり、絵と字が一体になって面白さがかもし出されているものが多く、絵師には葛飾北斎、渓齋英泉、歌川国貞などのビッグネームも含まれるなど、それ自体見ごたえのあるものでした。40分間という限られた時間ではありましたが、受講者は「くずし字一覧表」を手がかりに書籍の特徴の把握に努めました。

発表の時間では、それぞれの「本の紹介シート」が披露され、たとえば、女訓書「女蒙求艶詞」のキャッチフレーズは、「江戸の女子必見、たしなみを身につけるならこの一冊」などです。適宜、高野先生のコメントが加えられ、その後、それぞれの机の上に、それぞれの古書籍と「本の紹介シート」が並置され、全員で巡回しながらそれぞれの本を手に取るなどの交流の時間がもたれました。

最後に、現在「くずし字」をAIによって読解する研究が進められているという話題も提供され、その精度が高められた暁には、地域に埋もれている「江戸の本」を、文化的なリソースとして活用するという課題が浮上するのではないかとの予感を抱き、ワークショップを終了しました。

 

1月15日22日、「まちづくり」のワークショップを開催しました。

1月15日と、22日に、静岡市観光交流文化局の中島一彦局長を講師に迎え、「アートとまちづくり」をテーマに2週連続のワークショップを行いました。

 

第1週目の前半では、中島講師より「まちづくり」における文化芸術の重要性と、関連してSANAA案決定で話題を呼んだ、歴史博物館の役割や期待される効果などが分かりやすく解説されました。

後半では、街の中の「イマイチ」なベニュー(場所)に「アート」を加え、「わくわくドキドキ」する場所に変えることをテーマに、受講者は6班に分かれ企画会議を開催。班ごとに複数出たアイデアを1つに絞り、場の問題点を抽出するとともに場に再生や変容をもたらすアート作品やプロジェクト、あるいは建築や仕組みづくりについて検討しました。

 

第2週目は前半に、各受講者が家に持ち帰り課題を整理した修正案を集約しつつ再検討が進められ、後半の「発表」に向けて模造紙の作成やパソコンを使ったプレゼンテーションの準備が行われました。それにあたっては、講師より、発表者本位の「伝える」姿勢ではなく、受け手に「伝わる」発表が重要との指摘がありました。「発表」は質疑応答も含め、各班の持ち時間は15分間。それらは、様々な角度から地域が抱える問題と可能性に迫るもので各案が提起する課題を共有しました。

最後の講師講評では、よりリアルな企画とするためには投資と回収の視点を導入することと、ダウンサイジングを図り実現可能なところからスタートすることが大切、との指摘をいただき延べ6時間にわたるワークショップを終了しました。

1月22日「言語」2回目のワークショップを開催しました。

1月22日、言語系ワークショップ「静岡を読む、静岡を書く」の第2回目を実施しました。講師は、すばる文学賞受賞の小説家・別府大学講師の澤西祐典さん、芥川賞を受賞された円城塔さん、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞された福永信さんです。この日の内容は前半が、言語系第1回ワークショップで共同執筆した小説(断片)を各組が紹介する時間に、後半が講師によるそれら作品の講評の時間になりました。
前半、各組の持ち時間は3分。講師は前もって全ての小説に目を通しています。またワークショップの参加者は、他の組の内容を知りません。発表者には、講師に対しては内容の「解説」を、内容を知らない人に対しては、作品を読んでみたくなるような「紹介」を求められました。組ごと持ち味を発揮しての作品紹介がひとめぐり。それぞれに講師から含蓄のあるコメントが加えられ活動を終えました。
後半は、全ての作品に共通する「会話と地の文との関係」などについての解説から始まり、次いで個々の作品について踏み込んだ講評の時間がもたれました。一つ一つの作品について、よいところだけでなく問題点についてもずばりと言及。言葉の端々に、小説家がどのような姿勢で文章や言葉に向き合っているのかが垣間見え、また3人の講師の意見が分かれる場面ありとスリリングな学びの時間となりました。
最後に3人の講師より、言語表現に向かう構えを示していただきました。「自分の書いた小説をできるだけくり返し読むことで、読み手目線になる」、「一度書いた物をボツにして、それを踏み台にして羽目を外す」、「すごい数の足し算、掛け算をする。そのことで矛盾や摩擦が生じ、読者の脳を刺激する」、「これを書くと辛いな、ということを書く」、「自分への圧をかけた方が書いていても面白い」といった言葉が印象に残りました。
2回にわたる「言語系」ワークショップは多くの受講者にとって、「小説を書く」初めての機会になっただけでなく、第一線で活躍する小説家から直接講評していただく貴重な機会になりました。

12月18日「言語」1回目のワークショップを開催しました。

言語系ワークショップ「静岡を読む、静岡を書く」を開催しました。ファシリテーターは、中村ともえ先生(静岡大学教育学領域准教授)です。内容は、前半が参考資料を読む活動、後半が創作活動になりました。

最初に、「あなたにとって静岡とは何か」という問いが投げかけられ、一人ひとりの時間軸にそって、場所にまつわる体験や意味の変遷を振り返りました。

次に「静岡を読む」ということで、小説等の著作の中に「静岡」がどのように表されているかを概観しました。まずは著作権フリーの「青空文庫」から76篇を取りあげ幾つかの特徴を指摘。続けて、静岡に縁の作家として三木卓に焦点を合わせ、2篇の自伝的小説「裸足と貝殻」「柴笛と地図」が紹介されました。その上で、高校生から浪人時代までが描かれた「柴笛と地図」のいくつかのパートを受講者が順番に朗読。そこには、今から70年前の静岡の情景と人びとの営みが表されています。これらの作品の特徴は、ささやかなエピソードが連なり、ゆるやかに全体の時間が流れていること、との解説がありました。登場人物の会話は静岡弁です。そこで会話部分は、静岡弁を知る受講者が静岡弁で朗読、中村先生は地の文を朗読。そのことで、小説における方言の効果や、会話の描写と地の文との関係が自然と意識されるようになりました。

前半の最後に、「静岡を書く」すなわち、静岡を舞台とした小説の創作に向けて縮尺の異なる3種類の地図と下書き用紙が、各グループに配布されました。小説に登場する人物は2人という前提で、昼休みの間に主人公の出発地と目的地、そして知人と会う場所を決めておくようにとの指示がありました。

 

後半は、グループワークから始まりました。グループは2人か3人で構成されています。地図を見ながら、出発地と目的地、また2人が出会う場所を確認。主人公の名前を決め、途中で出会う人の名前を決め、それぞれの人物像を設定します。市内をあまり知らない受講者はJR静岡駅から静岡鉄道の新静岡駅の間でもよいし、9月25日に音楽分野のワークショップとして行った市内のロケハンと結びつけてもよいとのこと。下書き用紙を横方向に二つ折りして、上段には登場人物の会話を書き、下段には移動するルートとその情景などを書くというやり方が説明されました。活気あるグループワークによって、上段と下段が書き進められてゆきます。50分間ほどのワークで主人公の足取りや会話の骨格が浮かびあがってきました。

その後、個人執筆の時間が設けられ、グループの中で役割分担をし、1人が主人公の出発地点から2人が出会った地点までを、もう1人が出会った地点から目的地までを書き進めました。3人のグループの場合、3人目は会話部分を清書する役割を担います。最後に、中村先生から、作品のどこかに「静岡」という言葉を入れる、また作品にタイトルをつけるとの投げかけがありました。約15分間の個人執筆の時間を経て、全体を合体させこの日のワークは終了。

グループワークと個人執筆を合わせても、執筆に充てられた時間はわずか80分間ほどではありますが、それでも、小説を書くという、多くの受講者にとって初めての経験ができたことは収穫といえましょう。また「静岡を言語化する」ことによって、見慣れた場所に新たな光があたるかのような思いを抱いたのではないでしょうか。

なお、このワークショップで創作された「小説」は、1月22日の言語系第2回目のワークショップで改めて取りあげられ、助言・批評される予定です。

 

12月16・17日 コミュニティダンス~しみずノーギャップダンスパレード~を実施しました。

12月16日、17日は8月にもおいでくださったコンテンポラリー・ダンス・ユニットのセレノグラフィカの隅地茉歩氏と阿比留修一氏をお迎えして、一般の参加者を交えたワークショップ及び本番のイベントを行いました。また生演奏でギタリストの丸山研二郎氏も参加してくださいました。

16日、17日の両日の午前中に練習ワークショップを開催し、17日午後に清水駅前銀座商店街で「しみずノーギャップダンスパレード」というイベントとして皆で踊るという内容でした。受講生は資金調達から、FBなどのSNSでの広報、当日身につける小道具やタイムスケジュールの作成など、運営全般に関わりました。アートマネージャーとして必要な素養を磨く絶好の機会となりました。

 

★プログラム

・オープニングダンス

・ハタマラできらきら星

・ペアでのさわってぬけて

・ネオフォークダンス~オクラホマミキサー~

・エンディング 今川音頭

 

最も大切にしたのは「子どももシニアも障がいのある方もない方もみんながダンスでHAPPYになる」という目標でした。商店街がたくさんの笑顔に溢れ、みなで力を合わせて見事に達成されたと思います。

 

12月11日「演劇×茶道」のワークショップを開催しました。

12月11日はSPACの俳優・横山央氏と、NPO法人掛川の現代美術研究会代表で裏千家の茶道にも精通しておられる山本和子氏を講師に招き、演劇と茶道の所作から、空間に対する身体の扱い方について学びました。

 

一見、共通点に見えにくい2つのジャンルではありますが、SPACでも採用されている俳優トレーニングである鈴木忠志氏考案の「スズキメソッド」は丹田(東洋医学でヘソの下あたりを指す。全身の精気の集まる場所とされる)を意識し、足袋を履いて行います。そこから茶道の「立つ」「座る」「歩く」などの所作との関連を見出し受講生に体験してもらう内容へと結びつけました。よってこのワークショップは地面と足裏の感覚を大切にするため、受講者には全員足袋を履いてもらいました。温度、質感、方向など、靴の生活によって鈍感になった足裏の感覚を呼び覚まし、「すり足」によって地を指で掴む感覚を養うためです。

 

日々の単純な動作である「立つ」「座る」「歩く」を洗練させ、観る人、もてなす人に自分たちの伝えたいメッセージを伝えるという点においては演劇も茶道も共通した精神で営まれていることがわかりました。また振り返りでは、身体所作の一環として「呼吸」のコントロールの仕方についても話題になりました。リズムや間に対して高い意識を向けている2つのジャンルの共通点を考える、良いきっかけになりました。

 

12月4日「デザイン×美術」のワークショップを開催しました。

12月4日は、アート系のワークショップを実施しました。舞台は資生堂アートハウス(掛川市)。まさに存在そのものが地域の財産にもなっています。

 

1872年、わが国初の西洋調整薬局として創業した資生堂。今回は、日本では画廊として最も歴史の永い資生堂ギャラリーがこれまでコレクションしてきた漆芸の美術品を使ってのワークショップ「触って知ろう 日本の伝統工芸〈漆 芸〉」です。4人の重要無形文化財保持者の作品を見て、触って、鑑賞するという大変貴重なワークショップとなりました。

 

冒頭では、資生堂アートハウス マネージャー・大木敏行氏によって企業の社会貢献と沿革を俯瞰しつつご挨拶を頂いたあと、学芸員・福島昌子氏からアートハウスのコレクションポリシー、コレクションの成り立ちやその特徴を解説頂きました。

 

次いで、現在開催中の企画展「資生堂アートハウス名品展 〜開館40周年記念 前期 日本画と漆芸を中心に〜」をギャラリートークして頂きました。この際、学芸員福島氏の、作品と作家に対する尊敬の念と思い入れに受講者一同、大変心を打たれました。そこには学芸員として持つべき知識だけにとどまらず、振る舞い、品格、もっと大きな視点に立って言えば、愛を強く感じました。

 

後半のワークショップでは、4人の漆芸作家の作品を解説頂き、受講者はそれらを実際に手に持って鑑賞、感じたことを言葉にしていきました。この日向き合った作品は、「資生堂好み」という視点によって収集された漆芸の逸品ぞろいです。

 

  • 赤地友哉:曲輪造黄漆金彩鉢(1975)
  • 増村益城:乾漆赤口洗朱菊花盤(1992)
  • 田口善國:蒔絵切貝水指 隅田川(1980)
  • 磯井正美:蒟醬沈金風光る食篭(1984)

※すべて、重要無形文化財保持者

 

また、最後に同じ敷地内にある資生堂企業資料館に足を運び、企業理念から沿革、パッケージデザインやCMなどの展示とあわせて、バックヤードも見学させて頂き、資生堂の連綿と受け継がれてきた想いに触れることもできました。

 

 

12月5日「音響」のワークショップを開催しました

12月5日は音響エンジニアの木村哲さんにおいでいただき、コンサートホールでの音の響き方について、スタッフとしてどのような配慮をすべきか、教えていただきました。

 

最初に1時間半ほど木村さんの講義を伺います。テキストには以下のように書かれていました。

「コンサートマネジメントでは、コンサートの運営、お客様、アーティスト、もろもろの表方・裏方への対応、緊急時への備えなど実にさまざまな配慮が要求されます。そうした中で案外なおざりにされてしまうのが音響への関心です。コンサートマネジメントに関わる者は、開演前は雑事に追われますし、開演後も客席でゆっくりと音楽を聞けるわけではありません。しかし、音は音楽の最も大切な要素であり、コンサートマネジメントにおいても音への関心、知識、リテラシの有無が結果を左右します。本ワークショップは、ホールの諸設備についての理解に加えて、プロのアーティストの協力を得てホールの音響を実体験するというものです。おそらく前例のない貴重な機会となるだろうと思います。」

 

特に「客席におけるホールの音響」として直接音と反射音、残響音と残響時間、ノイズ・振動、音の分離・周波数特性、音響障害、聞き手の心地よさについてを、また「ステージおけるホールの音響」として自分の音=フィードバック、他の奏者の音、奏者の位置、楽器のセッティング、演奏しやすさと心地よさについての内容は、午後からのホールでの体験学習にとって重要な内容でした。

 

午後はまず誰もいないステージに立って手を叩いたり、声を出し、自分の声がどこに行き、どう返ってくるのかを体験します。ステージの前の方、後ろの方では響き方が全く違うことを学びました。その後、ピアノ四重奏団アンサンブル・ラロのメンバーのリハーサルを聴きます。ただ鑑賞するのではなく、印刷されたホールの平面図を片手に、ホールのあちこちを歩き回り、「直接音の良いポイント」「音楽のまとまりの良いポイント」「音の良くないポイントを」書き込んで行きます。客席に限らず、ステージにも上がり、演奏者がどのような音を聴きながら演奏しているのかも体験しました。

 

最後は再び講堂に戻り、今度は大きく印刷された図面に自分の良いと思うポイント、良くないと思うポイントそれぞれにシールを貼ってグループごとに意見交換をしました。

 

 

 

 

 

 

12月3日 「音楽Ⅴ」二回目のワークショップを開催しました。

12月3日は再び作曲家の野村誠さんにおいでいただきました。海辺に佇む洋館、旧マッケンジー邸のイベントで、一般のお客様を前に、11月6日のワークショップで作った曲を披露するというものでした。

 

11月6日のワークショップでは4つのグループに別れていましたが、2つずつを合体させて合同チームを結成。1ヶ月の間に、自主練を重ね、それぞれのチームの良い所を取り入れながら、更に演奏をブラッシュアップさせました。

 

12月3日の午後、いよいよお客さんの集まる旧マッケンジー邸へ。最初の30分は野村さんの演奏により、鍵盤ハーモニカやピアノのソロ、静大の長谷川慶岳先生との連弾などの曲をお楽しみ頂きました。場が盛り上がり、お客さんが興に乗ってきたところで、受講者の2つのチームによる演奏が始まりました。一つのグループは階段の踊り場で、もう一つのグループは台所の小さなスペースで。それぞれが空間とお客様の距離感を大切にした作品の上演となり、好評を得ました。

 

最後は再び野村さんの演奏で幕を閉じました。即興の演奏を見るのが初めてのお客様、野村さんの歌い口調に引き込まれるお客様、それぞれに楽しんでおられました。

 

 

 

 

受講者からはその後の振り返りで「お客さんとの距離について考えさせられた」「なんなんだろうと思わせること、不思議な感じが残せてしてやったりな気分」「音階がなくてもリズムだけで音楽として盛り上げることができた」「家=人が集まる場所 コンサートホールで聞く音楽とはまた違う」「家が喜んでいる感じがした」「建物を生きているものとして扱うかどうか、建物と仲良くなるにはどうしたら良いかを考えた」などの意見が出ました。今後の旧マッケンジー邸の活用にも参考になるものであったと思います。

 

11月30日「福祉系・表現Ⅱ」の2回目のワークショップを開催しました。

11月30日「福祉系・表現Ⅱ」の2回目のワークショップを開催しました。

ファシリテーターは前回と同じ、舞踏家の岩下徹さんです。今回もまた静岡大学教育学部附属特別支援学校と連携し、中学部の校外活動の一環として位置づけ、本事業受講者と一緒にワークショップを行いました。即興での音楽演奏はギタリストの原大介さんが担いました。
会場は静岡大学体育館2階、内容は以下の3部構成です。
9:50〜10:50:受講者を対象としたワークショップ。無音
11:00〜11:45:受講者と中学部生徒と先生を対象としたワークショップ。即興演奏あり。
13:00〜14:15:受講者を対象とした振り返り

第1部の受講者を対象としたワークショップでは、前回と同じく身体をほぐす動きから始まりました。それは自分自身の身体と向き合う時間でもあります。手をぶらぶら、床に寝そべりゆったりと寝返り、身体を起こしたり床に寝そべったり、徐々に素早い動きを取り入れ、また岩下さんが持参したTシャツの絵柄のなかのキャラクターになるなどによって少しずつ身体を目覚めさせてゆきました。

第2部も身体をほぐす動きから始まりました。原さんによるギターの即興に合わせ身体を動かします。ギターの音が止んだら停まります。少しずつ速め、そして全速力に。またスローモーションの動き。短い音に合わせ素早く身体を動かし、音が止んだら近くの人とくっつく動きと続きます。
ここで一度、流れを切り、指名された一人の生徒さんにソロで身体を動かしてもらう、、、。でもなぜか、その子は立ちすくんでしまいました。すると別の生徒さんが手を挙げて、皆の前に出て踊り始めました。次にまた別の生徒さん、そして次にまた別の生徒さんと、3人の生徒さんが皆の前で踊ります。
次は、2人がペアになって、肩たたきの時間です。そしてペアの人と、くっついたり離れたりをしました。手をつながないで、くっつくかたちを変えてゆきます。そして関わる人の数をだんだん増やし、大きなかたまりへ。また2人のペアに戻り、今度は見えない風船を1個想定し、それを投げたり受け取ったりのゲームです。
予定していた時間も残り5分ほどになった頃、岩下さんが「音を感じて、仲間を感じて動いてみてください」と呼びかけました。そして即興演奏に合わせての踊りが始まりました。ギターの音は激しくなったり穏やかになったり、それに合わせてそれぞれのグループは踊り始めます。多くは輪踊りです。その輪が徐々に合わさり、やがて大きな1つの輪になって、それが回転しながら揺れ動きます。そして合図もないのに、真ん中に収縮し、また大きく広がったところでギターの音が止みました。
最後に、生徒代表のお礼の言葉があり、第2部は終了しました。

昼食後の第3部は会場を教室に移し、振り返りを行いました。最初に、生徒さんが加わる前の受講者だけのワークショップの時間、すなわち「自分の身体を感じる時間」をたっぷり1時間弱とったことによって、第2部での動きが良くなったとの指摘がありました。また会場の状態がワークショップを行う上で大きな要素になることから、11月末の暖房のない体育館でのワークということで、衣服による寒さ対策を重視したことが説かれました。
次に、岩下さんが「ワークショップ進行案」に沿って、またスクリーンに映し出された第2部の録画を見ながら、今日のワークショップを解説してくださいました。小学部と違って、中学部の生徒さんはシャイだったこと、また受講者の動きに触発され、徐々にいい動きをするようになっていったとの指摘がありました。そんな生徒さんに声をかけ、ソロで踊ってもらおうとしたところ、立ちすくんでしまったこと。それも1つの表れとして受けとめる。しかしその後1人、2人、3人と入って来たのは想定外だったものの、岩下さんのワークショップでは、想定外の展開も大切にしていることが伝えられました。
その後、受講者より様々な質問が投げかけられ、岩下さんより含蓄のある言葉が幾つも提示されました。ワークショップでの動きは、「見せるものではなく、一緒に場を共有してゆくもの」、「受講者・大人が触媒になった」、また、今回は第1部に十分な時間をとったため「身体の動きを思考に先行させる」動きができるようになっていた等々、、、。最後に、先週配布された資料に加え、岩下さんが執筆された文章の紹介がありワークショップを終了しました。